PCB廃棄物対応に関する打合せ議事録
目次
基本情報
- 議題: PCB特措法改正を踏まえた受託物件における対応方針の協議
- 背景: 低濃度PCBに関する届出義務・管理義務の拡大(新法)および年度末までの処分委託契約締結期限を踏まえ、受託者としてのリスク整理と対応範囲の策定が必要
議論の概要
1. リスクの大分類(3つの柱)
以下の3つのリスクカテゴリーを確認した。
- 受託者がPCB廃棄物の保管事業者となってしまうリスク(最大リスク)
- 現行の資産区分ルール(設備廃棄前に受益者資産へ切替)により回避する立て付けだが、その前提が崩れるケースを洗い出す必要がある。
- 第三者のPCBが信託建物内に取り残されるリスク
- テナント持込み機器の残置、委託者・グループ会社由来の廃棄物が保管されていた事例(電通ビル等)あり。
- 所有者不明の廃棄物が信託財産として処分せざるを得なくなるケース。
- 善管注意義務・レピュテーションリスク
- 受益者が法令上の届出義務等を怠った場合、受託者として直接の法令違反には問われなくとも、世間的な見られ方(レピュテーション)の問題が生じうる。
2. 想定リスクシナリオの検討
持ち寄られたリスクシナリオ(S1〜S9)を順に確認し、上記3分類との対応を整理した。主な論点は以下のとおり。
- S1(物件由来PCBの発覚): 点検・更新時にPCB含有が判明する最も一般的なシナリオ。特記事項で手当済みかの確認が主眼。
- S2(委託者・グループ会社による一時保管の持込み): 第三者由来リスクに該当。
- S3(テナント持込み保管): 同じく第三者由来。テナント破綻時に残置される可能性。
- S4(高濃度PCBの移設不可): S1の派生。現行法では移設禁止だが、来年4月1日以降は規制緩和予定。
- S5(別拠点への横流し): リスクは極めて限定的と評価。
- S6(保管場所変更の届出漏れ): 手続き違反が処分委託契約の締結遅延につながるリスク。
- S7(廃棄物と使用製品の取り違え): 台帳不備・届出誤りにつながる。法改正後の新規制との整合に注意。
- S8(保管基準不備・漏洩汚染): 土壌汚染・人的被害・近隣クレーム等のリスク。
- S9(PCB以外の廃棄物とのバランス): PCBだけ過度に対応することへのバランス感覚の論点。
3. 調査・通知の対象範囲(裾野の議論)
最も時間をかけて議論されたポイント。
- 外部からの持込み資産: 調査対象に含めるのは過剰であり、現実的でないとの意見が大勢。建屋から発生し得るものに限定する方針とする。
- 竣工年による絞り込み: PCB使用可能性のある1994〜95年以前竣工の物件を母数とする。
- 特記事項の有無: 2006年以前受託で現行の特記事項基準が適用されていない物件に漏れがある可能性を認識。
- ER(エンジニアリングレポート)等でPCB確認済みのイベントを経た案件は除外を検討。
- 対象は約3,000件規模となりうるため、モニタリングの継続ではなく一方通行の通知にとどめる案も検討。
4. 実務上の確認事項
- 特別管理産業廃棄物管理責任者の選任義務: 低濃度PCBの場合にも必要か、受託者(自社)内から選任が必要か外部委託可能か、を確認する。
- 処分スケジュール: 年度末(3月末)までの処分委託契約締結が目標。9月頃にアナウンスしないと間に合わない可能性あり。
- 駆け込み取外しリスク: 年度末直前に取外した場合、成分調査・委託契約締結が間に合わないリスクがあるため、早期の注意喚起が必要。
確認された宿題・アクション
|#|内容 |担当 |
|-|—————————————————–|—-|
|1|低濃度PCBの場合の受託者側の実務負担(管理責任者選任要否等)の確認 |吉井さん|
|2|リスクシナリオの具体化・ブラッシュアップ(過去事例も盛り込む) |吉井さん|
|3|ヒアリングシート(アンケート)の精緻化(設備の稼働状況・廃棄物有無の確認項目追加) |吉井さん|
|4|三社会での他社動向の確認(横並びの対応範囲) |全員 |
|5|リーガルチェック:持込み資産に対する建物所有者の責任範囲、取り残されたPCBの処分義務者について弁護士確認|(後日)|
|6|対応スケジュールの見直し(三社会の結果を踏まえ) |全員 |
今後の進め方
- まず実務フロー・リスクシナリオを固める
- 三社会で他社の対応方針を確認する
- 上記を踏まえ、リーガルチェックを実施する
- 最終的な対応方針を決定し、アンケート・通知を発信する(5月中旬〜下旬目処)
以上