平成27年の一級建築士学科試験と、平成28年設計製図の試験に合格しました。実務経験がなく、不器用なところの多々ある私でしたが、何とか2年で収めることが出来ました。
一級建築士の製図試験は正面から取り組めば確実に合格することができる試験だと感じています。また、製図の課題をこなしていくうちに、どのようなバックグラウンドの方でも、どのような課題が発表されたとしても、共通して取り組める対策があると考えるようになりました。
振り返ってみて、そういった考えやノウハウを当サイトにまとめました。
試験が近づいてきたら製図対策についての情報をネットのみに頼らない
学科試験と設計製図の試験のうち、学科試験は、合格が2割を切っていますが、設計製図は4割合格できます。
私の学科試験は一発合格でしたので、製図も真面目に取り組めば一発で合格できるのではないかと、製図対策を始めた当初はタカをくくっていました。
しかし、8月,9月の短い期間でうまく練習のスケジュールを組めず、資格学校の課題を消化しきれなかったので、作図スピードが上がらないまま試験当日をむかえてしまいました。
原因の一つはネット検索に頼って時間をかけすぎたことでした。
ネットでは自分のほしい情報が見つかりにくい
まず、1回目の製図試験では、何がわからないのかがわからなかったため、資格学校の仲間や先生にうまく質問することができませんでした。
焦ってネットで自分のほしいと思ったノウハウを探しましたが、うまく見つけることができず、試験が近づいてきているなか、大切な時間をたくさん消耗しました。
当時は、もっと早くから情報を探していればよかったと後悔しました。
ネットでの情報には誤ったものが含まれている可能性がある
ネット上には製図試験に関してたくさんの情報があります。
勉強していてよくぶち当たる疑問とその答えとが、かならず掲載されています。
しかし、サイトによっては、執筆者ご自身が受験された時代の状況、当時の資格学校の先生の方針、執筆者の固有のエスキス方法などが色濃く反映されているため、注意が必要です。
法改正にともなう時代遅れの情報や間違った情報を載せても執筆者に責任は生じません。
ネットでの情報は一方方向であるため間違った読み取り方をするリスクがある
また、ネット上のサイトでは双方向のコミュニケーションをとることが難しく、一方的に発信された情報を見た時に、焦って間違った読み取り方をするリスクがあります。
特に、一級建築士の製図試験という難しいテーマを扱う場合、文字や図解のみの情報で正確な意味を伝えることには限界があります。
双方向のコミュニケーションが可能な相手を選び確実な手段で情報収集する
私が合格してみて思うのは、シンプルで、近道で、網羅的で、安全で、正確なのは、資格学校の教科書と、各課題の解説プリント、そしてクラスの仲間の情報だったということです。
製図対策において頼るべき情報ソース
製図の勉強を始めてしばらくしたら、以下のようなタイムリーな情報、双方向なコミュニケーションによって得られる情報を頼るようにしましょう。
・資格学校の教材
・クラスの仲間の情報
・一級建築士に合格した会社の先輩方の情報
・建築学科の先輩方の情報
ちなみに、私が通っていた資格学校では、先生によって主張する作図方法や指導方法がばらばらだったので、先生には頼ることができませんでした。
記事 https://luckyhouse.tokyo/esquisse-scale/
資格学校のクラスメイトからの情報は大切
クラスメイトからの情報で助けられた内容の一部は、廊下係数の使い方や製図道具の紹介という形で以下の記事に載せています。
記事 https://luckyhouse.tokyo/area-calculation/
記事 https://luckyhouse.tokyo/drafting-tools/
一級建築士製図の出題傾向の変化をきちんと反映し、その年のテーマに沿った内容となっている資格学校の製図課題とその解説を、一緒に学ぶ仲間とともに議論しながら、完全に理解することが一番の近道でした。
一級建築士の製図試験において有効だった対策は方眼ノートにすべてをまとめること
一級建築士にチャレンジした1年目、自己採点で学科の合格を確認した後すぐに、資格学校では製図のクラスが新たに割り振られ、練習が始まりました。
クラスのメンバーはみんな、一発合格を目指し、死に物狂いで作図練習に励んでいました。
一級建築士の製図試験のライバルたちは優秀
学科を突破したクラスメイトたちは頭脳明晰です。
職場の上司や先輩にも一級建築士の資格を取得した優秀な人がたくさんいて、日々アドバイスを受けられる、といった恵まれた環境の受験生もたくさんいました。
8月下旬になると、クラス内の私のまわりの人たちは、余裕で時間内に課題を終わらせるようになりました。
しかし、実務経験がなく不器用なところの多々あった私の場合、1年目は製図に10時間もかかる有様で、箸にも棒にもかからぬ状況でした。
2年目に私がとった作戦は、ただただ、ノートを作るということ
それでもめげずに、2年目に突入した私は、なんとしても今年受かるぞ、と意気込みました。
資格学校の担任の先生がおっしゃっていた、「ノートを作ってごらん」という指示を愚直に実行。
本番直前の、最後から2番目と1番目の模試を受けるころには、なんとか正しいやり方で時間内にエスキスと作図とが終わるようになりました。
一級建築士の製図試験のノート作りはシンプルにエスキスのまとめを繰り返す
一級建築士に合格するには、資格学校の課題を完璧に消化することで抜け漏れをなくすことが重要です。
完璧な消化のためにはノートにエスキスを繰り返しまとめることが一番だと思いました。
以下の記事で、私がノートにまとめた様子を写真を使って説明しています。
記事 https://luckyhouse.tokyo/grid-notes/
エスキスを繰り返しノートでおさらいしていたため、製図試験本番のエスキスで大きな失敗をしたにもかかわらず、頭に入っていた製図の流れやノウハウが私を助けてくれました。
本番の様子などは以下の記事にまとめています。
記事 https://luckyhouse.tokyo/how-to-spend-the-time/
一級建築士の製図試験のノート作りはスキマ時間を使うことができる
会社務めをしていると、なかなか1/200の製図練習の時間を確保できません。
しかし、会社の昼休みや移動途中の無駄になるはずの時間をノートの作成に費やしたことで、手順を頭のなかで整理し、イメージトレーニングする時間をたくさんとることができました。
1年目にこれができていれば、と悔やまれました。
製図の勉強方法を記した記事のご紹介
当サイトでは、一級建築士の製図試験対策について、ノートの活用をベースに、以下のような構成でまとめました。
製図はどうやって勉強するのか
記事 https://luckyhouse.tokyo/grid-notes/
見学のメリットはどこにあるのか
記事 https://luckyhouse.tokyo/jidoukan-kengaku/
室内レイアウトを苦手にしないために
記事 https://luckyhouse.tokyo/room-layout/
スピード対策は効率的に
記事 https://luckyhouse.tokyo/sakuzu-speed/
製図の作図手順を変更する
記事 https://luckyhouse.tokyo/plotting-procedure/
チェック項目を何度か唱えて覚える
記事 https://luckyhouse.tokyo/check-item/
道具は資格学校や先生の意見を鵜呑みにしない
記事 https://luckyhouse.tokyo/drafting-tools/
1階の面積や各コーナーの面積を試算するには
記事 https://luckyhouse.tokyo/area-calculation/
面積調整で設計コンセプトも決まる
記事 https://luckyhouse.tokyo/adjust-area/
エスキスは1/700で考える
記事 https://luckyhouse.tokyo/esquisse-scale/
試験本番にトラブルがあってもあきらめない
記事 https://luckyhouse.tokyo/how-to-spend-the-time/
これらの記事では、資格学校のエスキスの解説から大きく逸れること無く、なるべく普遍的なノウハウをわかりやすく説明しています。
1年目に合格できなかった時のくやしさを思い出し、情熱をもって、わかりやすくまとめました。
お時間のあるときに覗いてみてください。